利用者様の外出支援の様子。
こんにちは。社会福祉法人SHIP グループホーム友で世話人をしている小林です。
春の気配もようやく整い、心浮きだつ今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、先日私が担当させていただいているT様が、行動援護(*外出支援)で近くの公園に散歩に行きました。
先ずはT様の簡単な情報からお伝えさせていただきます。
T様は、知的障がい1種2級、身体障がい1種2級(聴力障がい)、障害区分は6の利用者様です。
言語理解がどの程度か詳細には分かっておらず、分かっている言葉(ひらがな2文程度)もあるようですが、正確には調べられていないのが現状です。
T様は今までのライフステージで、手話やジェスチャーでコミュニケーションを取っており、現在グループホーム友では、絵カードや指差しなどの簡単なジェスチャーでT様に次の行動などをお伝えしています。
基本的におとなしい性格ですが、時にせっかちな部分もあり、髭剃り、お風呂での洗体などを支援者が丁寧に時間をかけておこなうと怒ってしまうような事もあります。
以上のことも踏まえて、この日も絵カード、ジェスチャーを中心に、適度なテキパキ感でもって支援をおこないました。
この日の小林の支援目標は以下の通り。
①スーパーに立ち寄り飲み物を買う。
・選択肢が広い、多い場面でのご本人の様子を確認する。
・ご本人が「選ぶ」という行動を始めるためのジェスチャーはどのようにするか?
②飲み物を持って、公園に移動する。
・飲み物をその場で飲むのではなく、公園に着いてから飲むことは可能か?間に動作を入れることで、不穏などはないか?
・歩行中に飲み物に注意がそれて、危険な歩行にならないか?
③公園で飲水、休憩をする。
・飲料の飲み方の確認。
・休憩の示し方の確認。
・休憩中の挙動の確認。
以上のことを踏まえて、何よりもご本人が楽しんでいただけることを目標に出発します。
スーパーでの様子
公園に行く前に、飲み物を購入するため、近くのスーパーに立ち寄りました。普段自動販売機で飲み物を選んでいただくことはありますが、
T様に「飲み物を選んでください。」と伝えるにはどうしたらいいか?という壁にぶち当たります。
悩んでいても仕方がないということで、手始めに飲み物の陳列棚の正面に二人並んで立ち、支援者が多くの飲み物達の周りを人差し指を使い、円で囲んでみました。(自動販売機ではこのようにやると選ぶことができていたため。)
するとご本人が選んだ飲み物は某有名紅茶。しかもストレート(いやダメというわけではありませんが、、、。)
「あら、大人ですねー。」と納得しかけたのもつかの間。以前T様と外に出かけた際の様子を思い出します。自動販売機では「コーラ」を選んでいる姿が浮かびます。
ご本人が自動販売機でいつも選んでいるのは、コーラ。ここでは紅茶、何かがおかしい。
それに、指で描いた円の丁度中心部分にあった飲み物が選ばれている。
某有名紅茶はとても美味であり、T様が好きであった可能性も捨てきれないですが、これは他の方法も試さなければ、ということで、次に陳列棚の左端を指をさし、陳列棚の右端までを指さしで繋ぎます。するとすぐにT様はコーラのもとに向かい、コーラを手に取ったのです。
ジェスチャーの工夫だけでこんなにも伝わり方が変わってしまうのだと驚きました。
この後T様は飲み物を持って公園に向かいました。道中は飲み物に注意が逸れる事もなく安全に歩く事が出来ました。
秋留野公園での様子
公園につくと子供たちが大勢でボール遊びをしています。春の晴れている時の公園は落ち着きますね。
*写真はフリー素材です。
さて、公園のベンチにつくと、T様のコーラを飲む時間です。
コーラの蓋もご自身で開けることができ、開けてすぐに一気に飲み干してしまいました。
飲み物を分けて飲む方法を少し考えたほうが良さそうです。
コーラを飲み終わったところで、「休憩」をして頂く事にしました。
休憩はスマートフォンのアプリを利用し、絵カードタイマーで10分間行いました。
*絵カードは【休憩】を使用しました。
休憩中は画面を集中して観ており、時間が経過するとすぐに終わる事も出来、しっかりと伝わっている様でした。
この後、グループホームに帰り無事にこの日の休日を楽しむ事が出来ました。
今回の行動援護で得られた情報を踏まえて、よりご本人が楽める事を探していこうと思います。
グループホーム友では、重度の障害をお持ちの方(障害支援区分3~5)を受け入れの対象とした障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(共同生活援助)を提供しています。
随時、見学や体験泊などを受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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障がい者グループホーム 友
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