「困ったな」と思ったら原因を考えてみる

皆さまこんにちは。

激しい癖毛のグループホーム友世話人の足達です。

梅雨入りが間近に迫り困ったなと思って髪をバッサリ切ってスッキリしました。

 

さて、普段仕事をしていると一つの壁が立ちはだかります。それは

利用者様との意思疎通がうまくいかない」というものです。

我々がそのような気持ちを持つのと同じく、利用者様も我々に同じような気持ちを持っています。

我々は気持ちを言葉で表現することが出来ますが

利用者様は言語で伝えることが得意ではありません。

それでも何とかご自身の気持ちを伝えようとして

時にはご自身や周囲に悪影響な手段を取ることもあります。

それがいわゆる「問題行動」と呼ばれるものです。

その行動は経験による積み重ね

問題行動は、生まれつきインプットされていた物ではありません。

例えば、「おもちゃを買ってほしくてお店の前で泣く子供」がいたとします。

親は早くその場を収めようと子供におもちゃを買ってあげ

その後もお店の前で泣くたびにおもちゃを買って子供を泣き止ませていました。

この時子供は「泣けばおもちゃを買ってもらえる」という経験をし、学習してその行動を獲得しました

逆に「どれだけ泣いても反応しない」という行動を継続していると

いつかどこかで子供はお店の前で泣かなくなるようになります。

(この場合「泣かなかったこと、おもちゃを我慢できたことを褒める」という行動があるとより効果があります)

つまり、(問題)行動はそれまで生きてきた中で経験したものの積み重ねと言えます

行動の原因を探る

問題行動・不適切行動の原因は、大きく以下の4つに分けられると言われています。

 要求(何かが欲しい、何かをやりたい、やりたくない)

② 注目獲得(周りの注意を自分に向けたい)

③ 感覚探求(その行為がその人にとって心地よいもの)

④ 逃避(受けている刺激を無くしたい)

上のおもちゃが欲しくてお店の前で泣いた子供は

泣く」という行動で「要求」を表現していたと言えます。

余談ですが「泣けばおもちゃを買ってもらえる」という学習を積み重ねることで

本人にとってそれが当たり前になり、結果的に本人にも周囲にも大きな影響がでることがあります。

このような適切とは言えない学習を「誤学習」と言い

必要に応じて学習を上書きする必要があります。

原因が分かると対応の幅が広がります

突然ですが、部屋で一人で過ごしていたら急に大声を出す人がいたら、皆さんはどうしますか?

「うるさい!」と怒るでしょうか?

「静かにしましょう」となだめるでしょうか?

何をしても収まらないから頓服を飲んでもらいましょうか?

あるいは刺激するといけないから様子は見ずにそっとしておくでしょうか?

その場は凌げるかもしれませんが、根本的な原因が解決できなければ同じことが起こります。

では、今日は湿度が100%で部屋で一人で過ごしていたら急に大声を出す暑がりのがいた

部屋に行ってみたらサウナのようにムシムシしていたら皆さんはどうしますか?

恐らく、部屋の空気を入れ替えたりエアコンを点けたりすると思います。

この方は「暑い」という表現を大声を出すという行動で「注意獲得」を試み「要求」していました。

対応した人は原因を考え、それを解決するための行動を取ることが出来ました。

このように、目の前の出来事だけではなく、その原因を考えることで対応の幅が広がり

適切な対処が取れる可能性が出てきます。

 

自閉症、知的障害の方々は言葉で表現することを得意ではありません。

そのため、原因を仮定して対応してもすれ違うことが多いですが

快適な日々を過ごしていただけるよう取り組んでいきたいと思います。

お気軽にお問い合わせください。