グループホーム友での自己研鑽発表会

グループホーム友 世話人の芝です。

先日、自己研鑽の成果を共有するために、グループホーム友にて「自己研鑽の発表会」を開催しました。今回は、その発表会の概要、内容、参加者の反応などを共有したいと思います。

企画の背景

グループホーム友では世話人が自己研鑽という形で自主的・主体的に様々なスキルや知識の習得を行っています。そして、学んだことや成長した部分を他の職員と共有することで、さらなる学びやモチベーションの向上が期待できると考えました。そこで、今回初めて自己成長の成果を発表する場を設けることになりました。

 

発表内容

発表会では、様々な分野の自己研鑽が発表されました。そのいくつかをご紹介します。

1. 「てんかん」とは何か
2. 重度障がい者支援の見守りの重要性
3. ダウン症について
4. タスク管理
5. 課題の分離
6. 行動分析学(好子と嫌子について)

てんかんとは何か

てんかんは、脳内の電気的活動の突発的な異常により引き起こされる神経障害であり、世界中で多くの人々がこの状態に影響を受けています。主な特徴は、予測不可能な発作で、これには意識の喪失、体の一部または全体の不随意のけいれん、ぼんやりとした状態、感覚の異常などが含まれます。てんかん発作は、脳の特定の部分が関与する部分発作と、脳全体が関与する全般発作に大きく分類されます。

発作の原因は多様で、遺伝的要因、脳損傷(例えば、外傷、中枢神経系の感染症)、脳腫瘍、脳血管障害、さらには特定の遺伝子変異まで様々です。しかし、多くのてんかん患者では、発作を引き起こす明確な原因が特定されないことも一般的です。

治療には、主に抗てんかん薬が用いられ、多くの場合、これらの薬によって発作の管理が可能になります。しかし、全ての患者が薬物治療に反応するわけではなく、約20%~30%の患者は薬剤耐性てんかん(治療抵抗性てんかん)と診断されます。これらの場合、脳神経外科手術、神経刺激装置の使用、または特定の食事療法が選択肢となることがあります。

てんかんの管理には、発作のトリガーとなる可能性のある要因(睡眠不足、ストレス、特定の食品や薬物など)を避けることも重要です。また、てんかん患者は日常生活での安全性に特に注意を払う必要があり、適切な対策(頭部保護帽の着用など)を講じることが重要です。

 見守りマニュアル

重度支援での見守りは、利用者の安全と生活の質の維持に不可欠です。重度の障害を持つ人々は、日常生活での基本的な活動においても、他者の支援が必要な場合が多くあります。このため、適切な見守りと介助は、健康維持、自己決定の促進、社会参加の支援といった点で極めて重要になります。

重度障がい者支援では利用者の事故は職員の責任となります。
利用者が転んで怪我をした。利用者が勝手に外出してしまった。これらは職員、事業所、運営法人がその責任を負います。安全性や危険の回避をとっさにできない重度知的障がいのあるご利用者の安全は、見守り支援があってこそ確保されるということです。見守りは楽な業務ではなく、全職員の最重要かつ最優先すべき職務ということになります。
見守りでの安全確保があってはじめて、個々の利用者への個別支援の提供が可能になります。

ダウン症について

ダウン症は、染色体異常の一種で、通常、人の体細胞には46本の染色体があるところ、ダウン症の人は21番目の染色体が3本あるため、合計47本の染色体を持っています。この染色体の追加が原因で、身体的特徴や知的発達に影響を及ぼします。

ダウン症の人々は、独特の顔貌特徴を持ち、一般的には軽度から中度の知的障害があります。しかし、彼らの能力や可能性は個人差が大きく、適切な支援と教育を受けることで、多くが社会のさまざまな側面に積極的に参加できます。身体的特徴には、アーモンド形の目、小さな口、短い手足、柔らかい皮膚などがあり、また、心臓病や聴覚障害といった健康問題を持つリスクが高いことも知られています。

社会の支援と理解により、ダウン症の人々は教育を受け、仕事に就き、社会的な活動に参加するなど、充実した人生を送ることが可能です。ダウン症に対する認識を深め、彼らが直面する困難を理解し、支援することが、全ての人にとって豊かな社会を築くためには不可欠です。

タスク管理について

タスク管理は、個人やチームが効率的に目標を達成するための基本的なスキルです。これには、タスクを特定、分類、優先順位付けし、時間内に完了させるプロセスが含まれます。成功するタスク管理の鍵は、明確な目標設定、リソースの効率的な配分、そして柔軟な対応能力にあります。

まず、全てのタスクをリストアップし、それぞれの重要度と緊急性を評価して優先順位を決定します。次に、タスクをより小さなサブタスクに分割(チャンクダウン)し、それぞれに実行可能な期限を設定します。これにより、大きなプロジェクトも管理しやすくなります。

効果的なタスク管理には、リソースの配分も重要です。これには、時間、人材、資金など、タスク遂行に必要な全てのリソースの適切な管理が含まれます。また、進捗を定期的に確認し、必要に応じて計画を調整する柔軟性も必要です。

さらに、デジタルツールやアプリケーションを活用することで、タスクの追跡、共有、協働が容易になります。

最後に、タスク管理では、達成感を味わいながらも次の目標に目を向けることが大切です。小さな成功を祝い、自己効力感を高めることで、モチベーションを維持し、生産性を向上させることができます。タスク管理は単に作業を終わらせること以上に、目標達成に向けた効率的なアプローチを提供します。

 課題の分離について

アドラー心理学における「課題の分離」とは、個人が自己の問題と他者の問題を区別し、それぞれに適切に対処する能力を指します。アルフレッド・アドラーは、人間関係において生じる問題や課題を、自分自身のもの、他人のもの、共同のものという三つに分けて考えるべきだと提唱しました。これにより、不必要な責任感から自由になり、自己決定と他者への共感的な関わりをバランスよく保つことができるとされます。

課題の分離がうまくできないと、他人の問題に過剰に関与し過ぎたり、逆に自分の問題を他人に押し付けたりすることになりかねません。これは、過干渉や依存の原因となり、人間関係のトラブルや心理的なストレスを引き起こすことになりかねません。

例えば、子どもが学校で困難に直面した場合、その問題を親が代わりに解決しようとするのではなく、子ども自身が解決策を見つけるようサポートすることが、課題の分離の観点からは望ましい対応とされます。これにより、子どもは自己効力感を育み、自立した個人として成長することができます。

アドラーの課題の分離は、自己と他者の健全な境界線を引くことにより、共依存ではなく、健全な独立性と相互依存の関係を築くための重要な概念です。この考え方は、個人がより満足のいく人間関係を築き、社会共同体の一員として貢献していくための基盤となります。

行動分析学の好子と嫌子について

行動分析学における「好子(こうし)」と「嫌子(けんし)」は、特定の行動を促進または抑制するために用いられる概念です。
好子は、ある行動が示された際にそれに続くことでその行動が将来的に増加する可能性がある刺激や結果を指します。
これは、報酬や肯定的なフィードバックなど、ポジティブな結果に相当します。一方、嫌子はある行動に対して不快または望ましくない結果をもたらし、その行動の頻度を減少させることを目的とした刺激です。
例えば、批判や懲罰などがこれに該当します。行動分析では、これらの原理を適用して、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を減少させることを目指します。

参加者の反応

発表会は、参加者の多くが、他者の学びや成長のプロセスを聞くことで新たな視点を得られたと感じたようです。また、発表者自身も、自分の経験や成果を他者と共有することで、学んだことの整理や自己確認ができたそうです。私も大変勉強になりました。

まとめ

この「自己研鑽の発表会」を通じて、個人の学びや成長が他者にとっての学びやモチベーションに繋がることを実感しました。今後もグループホーム友の仲間とともに学び合い、成長し合う場を提供していきたいと思います。

さて、

グループホーム友は、重度の知的障害をもつ人(障害支援区分3~5)を受け入れの対象とした障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービス(共同生活援助)を提供しています。

随時、見学や体験泊などを受付けておりますのでお気軽にお問合せ下さい。

ご連絡お待ちしております。

障がい者グループホーム 友

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