はじめてのおつかい~障がい者グループホームの女性利用者編~
遅ればせながら
新年明けましておめでとうございます
今年のお正月は、コロナの影響で帰省や旅行に出かけられずスーパーなどもお休みになっていましたね。
ちょっと、いつもと違うお正月を家でテレビを観ながら過ごされた方も多かったと思います。
さて、お正月のテレビといえば「はじめてのおつかい」シリーズを観るのが楽しみのひとつになっている世話人の高口です。
みなさんも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
小さな子供たちが、道を間違えたり寄り道したり、やっとたどり着いて泣きながら買い物をしたり奮闘している姿は感動的ですよね。
はじめてのおつかい
そんな感動的なことが
じつは、このグループホーム友でもあったのです。「はじめてのおつかい」を体験した利用者様がいらっしゃいます。
A様は、知的しょう害の40代の女性で東京あきる野市にあるグループホーム友に入居してから4か月が過ぎました。
友にくる前は、アットホームな入所施設で長く生活されていたようです。そちらでの生活は、食事の支度は利用者と職員が一緒に行っていたらしく、お料理好きです。
そんなこともあって今はお弁当を作る作業所に通所され、休むことなくお仕事をがんばっているのですが洋服は毎日、通所用の作業着を着ていました。
秋が終わり、だんだんと寒さが増していった頃、薄い長袖のTシャツ姿で休日を過ごされていました。
冬物の衣類を持っていないか伺うと「このTシャツを1枚しか持っていない」とのことでした。
衣類を購入するよう提案すると、「この上に着るコートを持っているから要らない」の一点張りです。
少し様子をみてからお話しを聞いてみると「自分で洋服を買ったことがないし、いままでは全部もらっていたからどうやって買うのか分からない」と話してくれました。
社会性の幅を広げる
A様と面談を繰り返していくうちにいろいろなことが分かってきました。
A様は、困っていることがあっても自分から職員に伝えることが苦手です。必要なものや欲しいものがあっても自分から伝えてくることが難しいのです。
以前暮らしていた施設ではお小遣い帳をつけていたようですが、そのお小遣い帳を見せてもらうとほとんど食べ物と飲み物の記載しかありませんでした。
お金の使い道が限定的で食べるものにだけ使っていたようで食品の買い物は経験があったそうです。
そこで
A様と一緒に1か月の収支の計算をして見通しを立ててみました。
何にいくら使えるのかが分かり安心できたようです。再度、A様に冬物の洋服を買うことを提案してみました。
すると「自分で買ってもいいの?好きな色の洋服を選んで買ってみたい」と前回とは違い前向きに話してくれました。
ひとりで買い物に挑戦してみる
A様に自分の着たい洋服を3枚選んで購入するよう伝えました。
幸いグループホームから歩いて5分くらいのところに衣料品店があったため、場所を説明してロールプレイで練習してから出かけて行きました。
そして30分後に戻ってきて購入したものを見せてくれました。
「はじめてのおつかい」で購入した洋服たちです。
本人の感想は「はじめてだから不安だったけど楽しかった。うれしかった。自分で買っていいというのを知らなかった」
と話されていました。
また、季節の変わり目に新しい洋服を買うのが次の目標になりました。
いかがだったでしょうか。
東京都あきる野市にあるグループホーム友では、利用者様の個々の目標に応じて「できる部分を増やす」支援に取り組んでいます。
随時、見学・体験を受付けておりますのでお気軽にお問合せください。
なお、見学時は、マスク、検温、消毒の感染症対策にご協力いただいております。
また、緊急事態宣言が発令されている場合には、見学・体験を延期させていただく場合がございますのでご了承ください。