視覚的構造化で掃除を支援~準備編~
こんにちは。
残暑が続きますが、暦の上では秋になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
最近の休日は、もっぱら岩盤浴や接骨院そしてマッサージに行きボディメンテナンスに励んでいるグループホーム友 最年長世話人の里見です。
自閉症そして重度の知的障害を持った方を対象としたグループホーム友に入って、早いもので1年半が経過しました。日々学ぶことばかりです。
今回のブログは、構造化初心者の私が試行錯誤しながら構造化支援に取り組んだ様子をお伝えしたいと思います。
今回、取り組む内容は担当している利用者Sさんが
「居室掃除を一人でできるよう、本人が理解できるような視覚的提示をして支援する」ことです。
Sさんのストレングス
はじめに、今まで見てきたSさんの強味(ストレングス)を挙げてみます。
・視覚的構造化で自立した成功体験がある。(洗濯物干しなど)
・モデリングでの学習ができる。
・手先が器用である。
・数字、色がわかる。
・ひらがな、カタカナを読むことができる。
今回の支援に、活用できそうなものがたくさんあります。
視覚的構造化 ~3つの見える工夫~
次に、構造化支援の基本のおさらいをしてみます。
自閉症の人は、視覚的な情報に強いので、その強みを活用して、活動を見える形で分かりやすく提示します。そのアイデアが視覚的構造化です。活動の指示を明確にし、整理統合を助け、注目しやすくするのが視覚的構造化です。
視覚的構造化には、「視覚的指示」「視覚的整理統合」「視覚的明瞭化」の3つの要素があります。
引用:「気づき」と「できる」から始めるフレームワークを活用した自閉症支援
著書:水野 敦之 発行:エンパワメント研究所
なるほど。Sさんに注目してもらい、分かってもらうことが重要ですね。
では今回、自分なりに考え準備した3つの見える工夫の支援ツールを紹介したいと思います。
視覚的指示
見える形で分かりやすく指示する
今回、Sさんに行ってもらいたいことは
①2種類シート(ドライとウェット)を使用しフローリングワイパーで掃除をしてもらう。
②シートはフローリングワイパーに自分でセットしてもらう。
③色分けしたエリアを順番通りに指定した回数で掃除してもらう。
おおまかに分けて、以上になります。
それをSさんに視覚的に伝える手順書を作成しました。
このフォーマットは以前、洗濯物干しの支援で使ったものと同じなので、感覚的には、わかってもらえると思っています。ただ、その時より伝えたい情報量が多いのが少し心配な点です…。
視覚的整理統合
見える形で整理して伝える
2つめは『見える形でわかりやすく整理して伝える工夫』ということで、準備したり片付けやすくするために使用するグッズ(フローリングワイパー、2種類のシート)を一つのカゴにまとめ居室に設置しました。
視覚的明瞭化
より明瞭化して伝える
最後に『よりわかりやすく明瞭化する工夫』は、2つ行いました。
一つ目は、掃除してもらうフローリングを4分割にしてテープでマーキングしました。マーキングした理由は、ひとつはフローリングワイパーを動かす目印にしてもらうため。もうひとつは掃除する順番を理解してもらうためです。
おそらく、これが今回の支援の肝になると思います。Sさんにうまく伝わるのか?どのような行動を見せてくれるのか?楽しみでもあり、不安でもあります。
二つ目は、シートを挟む切り込み部分に白でマーキングし目立たせ分かりやすくしました。
いよいよ実践へ
準備は出来ました。あとは、Sさんに伝え、理解していただき、Sさん自身で行ってもらう必要があります。
最初は、先行モデリング(※)で伝え、当面は担当の私が1対1でアセスメントをとりながら行う予定です。
※先行モデリング…教える側が先に見本となってやってみせ、その後に教えられた側がそれを再現します。
うまくいった点、いかなかった点など、結果がどうなったかは、次回(9月)のブログ
視覚的構造化で掃除を支援~実践編~でお伝えしたいと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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